ふと愛猫の目を見て、「あれ?なんだか白っぽく見える」「片目だけ充血しているかも…」と不安に感じたことはありませんか? 「もしかして、緑内障?」 この言葉が頭をよぎると、どうしても「失明」という怖い言葉と結びついてしまい、不安で眠れなくなってしまいますよね。
緑内障は、人間と同じように、猫の視力を奪う可能性のある進行性の病気です。

こんにちは、にゃんトピのパパちゃんです。 わが家のアメショ「しょうすけ」とエキゾ「ゆうま」は今のところ元気ですが、目の病気は気づきにくいと聞いて、「突然なったらどうしよう」と内心ヒヤヒヤしています。
今回は、緑内障の基礎知識や白内障との違い、そして「健康な猫でも後天的になるのか?」「治療にはどれくらいのお金がかかるのか?」といった、飼い主さんが一番知りたいリアルな疑問について、にゃんトピの頼れるアドバイザー・猫実(先生に詳しく解説してもらいます。
今日からできる「日々の観察ポイント」を知って、愛猫のキラキラした瞳を守りましょう!


『緑内障』と『白内障』、名前は似ていますが、具体的にどう違うのでしょうか?

まずは敵の正体を正しく理解しましょう。 一言でいうと、緑内障は『眼圧が上がって視神経がやられる病気』、白内障は『レンズが白く濁る病気』です。

眼球の中は『房水(ぼうすい)』という液体で満たされています。この液体が循環することで目の形や圧力を保っているのですが、何らかの原因で房水の出口が詰まると、眼球の中に水が溜まりすぎてパンパンに膨れ上がってしまいます。 これが『眼圧が上がった状態』です。 高すぎる眼圧は視神経を圧迫し、痛みと共に視力を奪ってしまいます。


一方、白内障は目のレンズ(水晶体)が白く濁る病気です。 視力は落ちますが、緑内障のように激しい痛みを伴うことは少ないと言われています。 緑内障は『痛みを伴う』ことと、『一度失った視力は戻らないことが多い』という点が、非常に怖い特徴ですね。


痛いのは可哀想…。私たちが早く気づいてあげるには、どこを見ればいいんですか?


初期症状を見逃さないことが、視力を守るカギです。以下のサインがないかチェックしてみてください。
- 目の充血: 白目が赤く充血している。
- 瞳孔の変化: 明るい場所でも瞳孔(黒目)が開いたままで小さくならない。
- 目の濁り: 角膜が浮腫(むくみ)を起こし、青白く濁って見える。
- 痛みサイン: 涙が多い、まぶたをピクピクさせる、元気がなくうずくまる、顔を触られるのを嫌がる。
特に『元気がない』『食欲がない』といった症状は、目の痛みから来ている場合もあるので要注意です。


すべての猫ちゃんで発症のリスクはありますが、遺伝的に緑内障になりやすいと言われている猫種もいます。
- シャム
- ペルシャ
- バーミーズ
- メインクーン など
- ※アメリカンコッカースパニエル(犬ですが有名です)
もちろん、これら以外の猫種や雑種でも発症する可能性はゼロではありません。

うちはアメショとエキゾなんですが、遺伝以外で、普通に生活していて急に緑内障になることもあるんですか?

はい、パパちゃん。実は猫の緑内障は、遺伝などの『原発性(げんぱつせい)』よりも、他の病気が原因で起こる『続発性(ぞくはつせい)』の方が圧倒的に多いと言われています。 例えば、以下のような原因が挙げられます。
- ブドウ膜炎
目の中で炎症が起き、房水の出口が詰まる(猫伝染性腹膜炎FIPや猫エイズFIVなどが原因になることも)。 - 水晶体脱臼
レンズがずれて出口を塞ぐ。 - 眼内腫瘍
腫瘍ができて圧迫する。 - 外傷
ケンカなどで目を傷つけた場合。
つまり、日頃の感染症予防や、ケガを防ぐことも、間接的に緑内障予防につながります。

また、シニア期に入ると高血圧や慢性腎臓病、糖尿病などの全身疾患が増えますが、これらが目の血管に悪さをして、出血や炎症を引き起こし、結果として緑内障につながるケースもあります。 全身の健康管理が、結果として目を守ることになるんです。

もし緑内障と診断されたら、どんな治療をするんですか?手術とか…?

動物病院では、眼圧計を使って眼圧を測ったり、眼底検査やエコー検査を行ったりします。 治療の目的は『眼圧を下げて、痛みを取り、視力を守る』ことです。
- 内科的治療(点眼薬・飲み薬): 房水を減らしたり、排出を促したりする目薬を使います。初期であればこれでコントロールできることも多いです。
- 外科的治療(手術): 薬でコントロールできない場合や、すでに視力を失って痛みが激しい場合は、レーザー治療や、最終手段として義眼挿入や眼球摘出を選択することもあります。」


ぶっちゃけ、お金の話も気になります。どれくらい覚悟しておけばいいんでしょう?

そうですね。あくまで目安ですが…。
- 初期(通院・投薬): 1回数千円〜1万円程度(検査費含む)。これを継続的に行います。
- 手術が必要な場合: 片目だけで10万円〜30万円以上かかることも珍しくありません。
早期発見できれば点眼薬だけで維持できる期間が長くなり、結果的に費用も猫ちゃんの負担も抑えられます。

うーん、やっぱり手術となると高額ですね…。 初期症状で目薬や注射等なら費用もまだ抑えられると思いますが、手術や他の病気との合併症になると、精神的にも経済的にも負担が大きくなりますね。 わが家ももちろん入っていますが、ペット保険には確実に加入しておいた方が良いと改めて思いました。 『万が一』の時に、お金を理由に治療を諦めたくないですからね。

正直、緑内障のためだけに特別な予防策(サプリメントなど)をしているかというと、わが家ではしていません。 ただ、「早期発見」こそが最大の防御だと考えて、毎日のスキンシップの中で自然と目のチェックを行っています。
わが家の2匹は今のところ緑内障の症状はありませんが、それぞれちょっとした目の悩みがあるので、ケアのついでに観察しています。

しょうちゃんは特に目のトラブルはないんですが、なぜか**「カサカサの目ヤニ」**が出がちなんです。 なので、気づいた時に「はい、しょうちゃんお顔見せて〜」と言って、目ヤニを取ってあげています。 その時に、白目が充血していないか、瞳孔の大きさは変じゃないかをさりげなくチェック。 ついでに顔マッサージをしてあげると、ウットリして気持ちよさそうにしているので、スキンシップの一環になっていますね。

ゆうまさんは、ブリーダーさんからお迎えした生後5ヶ月の時から「流涙症(りゅうるいしょう)」気味で、年中目の下がビチャビチャなんです(鼻ぺちゃ猫あるあるですね)。 放っておくと涙が固まったり、涙焼けしたりして皮膚炎になっちゃうので、毎日最低でも朝晩は必ず涙を拭いてケアしています。 「ゆうまさん、おめめするよー」と言うと、何をされるか分かっているみたいで、機嫌が悪い時はダッシュで逃げられます(笑)。 この毎日のケアが、目の異変にいち早く気づくチャンスだと思って続けています。

先ほども言った通り、「緑内障予防のためにこれ!」という特別なことはしていません。 正直、そこまで気にしすぎると飼い主の身が持ちませんからね(苦笑)。
ただ、猫実先生のお話にあったように、「ストレス」や「免疫低下」、「他の病気」が引き金になって目が悪くなることは十分にあり得ます。 だからこそ、美味しいご飯を食べて、しっかり遊んで、ストレスなく健康に過ごしてもらうこと。 そしてシニア期に入ったら、定期的な健康診断で全身の状態(血圧や腎臓など)をチェックしてもらうこと。 これらが結果的に、緑内障の予防にもつながるんじゃないかな、とパパちゃんは考えています。

ねぇねぇ、緑内障と白内障って、どっちも目が白くなるの?ややこしいなぁ…。

ふふ、ゆうまくん。緑内障は『目が痛くて見えなくなる病気』、白内障は『レンズが曇る病気』だよ。 特に緑内障は痛いから、ゆうまくんが『目が痛いよ〜』ってショボショボしていたら、すぐにパパちゃんに教えてね。

ぼく、病気にならないために毎日どれくらい遊べばいいの? ねこじゃらし100回くらい?それともちゅ〜る食べた方がいい?

しょうちゃん、遊ぶのはいいけど、ちゅ〜るは関係ないでしょ(笑)。 でも、ストレスを溜めないのは大事だから、パパちゃんにたくさん遊んでもらおうね!

はいはい、分かりましたよ(笑)。 高額な治療費の話を聞いて最初はビビってしまいましたが、結局は**『日々の観察』が何よりの予防であり、最大の治療**なんだと分かりました。 毎日のお顔拭きタイム、これからもサボらずに続けます!

その通りです。知識を持つことは、愛猫との絆を守る最善の防御策です。 『あれ?』という違和感に気づけるのは、毎日そばにいる飼い主さんだけですからね。 これからもその優しい目で、猫ちゃんたちを見守ってあげてください。

