ペルシャの性格・特徴・飼い方|ゴージャスなのんびり王様タイプの長毛さん

ペルシャ猫

ふわふわの長い毛、まんまるなお顔、そしてのんびりマイペース。猫の長毛種と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが「ペルシャ」です。見た目はとても高貴ですが、性格は穏やかで甘えん坊な子が多く、静かにそばにいてくれる“癒やし担当”のような存在。
ここでは、これからペルシャを迎えたい日本の飼い主さん向けに、性格・特徴から日本での入手事情、飼い方のコツまでぎゅっとまとめてご紹介します。


基本データ&見た目の特徴

チンチラシルバーのペルシャ猫
項目内容
原産国イラン周辺(旧ペルシャ地域)起源とされ、その後ヨーロッパで改良・品種固定
毛の長さロング(豊かなダブルコート〜個体によりトリプルコートに近い密な長毛)
カラーホワイト/ブラック/ブルー/レッド/クリーム/シルバー/ゴールデン/チンチラ/シェーデッド/スモーク/ポイントカラーなどほぼ全色・全パターン
模様パターンソリッド、タビー各種、バイカラー、トーティ、シェーデッド、スモーク、ポイントなど非常に多彩
体重オス約3.0〜5.5kg/メス約3.0〜5.0kg(中型・骨太でずんぐり体型)
性格おっとり・穏やかで、甘えん坊かつマイペース。鳴き声は控えめで静かに暮らすタイプ
寿命(一般例)およそ12〜16年前後(10〜15年とする記載も多く、個体差・環境差あり)
公認団体CFA・TICA・FIFe・GCCF で公認(いずれもチャンピオンシップクラス対象)
入手難易度(日本)★2(比較的見つけやすいが、顔立ち・カラーにこだわると探す必要あり)

💡特徴
つぶれ気味の短い鼻に丸い頭、大きくやや離れぎみの目、ふさふさの長毛を持つ「長毛の代表格」。骨太でずんぐりした体型に短めの脚、首回り・お腹・尻尾にふんわりとしたボリュームが出やすく、歩くだけでゴージャス感たっぷりです。顔立ちは、やや鼻の高い「ドールフェイス」と、極端に鼻の低い「エクストリーム(フラットフェイス)」があり、後者では涙や呼吸への配慮が特に重要になります。動きは総じてゆったりで、キャットタワーの頂上よりソファの上でどっしりくつろぐタイプと言えるでしょう。


日本での入手難易度・流通状況

区分難易度主な入手先
ペットショップ 都市部の大手チェーン・総合ペットショップの子猫コーナー、ペット販売サイト
ブリーダー ペルシャ専門キャッテリー、長毛種を扱うブリーダー、ブリーダー直販・マッチングサイト
里親募集 稀に一般里親サイト・保護団体。「ペルシャ系長毛」「チンチラ風」として掲載されることも多い

💬 解説
日本では、ペルシャは「人気長毛種」として比較的出会いやすい部類です。ペットショップや販売サイトでは通年に近い形で子猫が掲載されており、価格帯は15〜30万円前後がボリュームゾーン。チンチラ系やポイントカラー、顔立ちの整った個体では30〜40万円台になることもあります。
ブリーダー経由では、ペルシャ専門または長毛種中心のキャッテリーが全国に複数あり、血統や親猫の性格・健康状態を確認しながら選びたい人に向いています。一方、里親募集で「純血ペルシャ」を若齢で探すのは難易度高めで、多くは「ペルシャ系ミックス」「長毛ミックス」として募集される傾向があります。

💡 豆知識
里親サイトで「チンチラ」「ヒマラヤン風」「長毛の丸顔猫」と書かれている子の中には、ペルシャの血が入っている子も少なくありません。見た目や性格で“ペルシャらしさ”を感じるミックスとの出会いもあります。


性格と行動の特徴

  • おっとり穏やかで、マイペースに過ごすのが得意
  • 人のそばで静かにくつろぐ「癒やし系甘えん坊」
  • 大運動会は少なめで、室内でのんびり暮らすタイプ
飼い主の声:良いところ
  • とにかくおっとりしていて穏やか。大きな音や来客にもパニックになりにくく、落ち着いて暮らしてくれる「安定感のある性格」という声が多い。
  • 人のそばでのんびりくつろぐのが好きで、膝の上やソファの隣でゴロゴロしてくれる。抱っこを受け入れてくれる子も多く、「ぬいぐるみ感」がうれしいという口コミが多い。
  • 運動量は少なめで、激しい大運動会はあまりしないタイプ。集合住宅や静かな生活スタイルにも馴染みやすく、室内飼い向きと評価されている。
飼い主の声:気になるとこ
  • 長毛でアンダーコートも厚いため、ブラッシングを怠るとすぐ毛玉になってしまう。換毛期には抜け毛も多く、毛球症対策やこまめな掃除が必須という声。
  • 鼻が低い「エクストリーム系」の個体では、涙やけ・鼻づまり・呼吸音・歯並びなどのトラブルに悩まされるケースもあり、目や鼻周りのケアと定期的な診察が欠かせない。
  • 運動量は多くない一方で食欲旺盛な子も多く、肥満になりやすい。太ると心臓や関節への負担が心配で、フード管理と遊び・運動の工夫が必要との体験談が目立つ。

ペルシャあるある10選

  • 動かない高級クッション
    ソファの角で丸くなっている姿が完全にインテリア。うっかり腕を置きかけて、「あ、生きてた!」と毎回びっくりする。
  • ごはんの催促は“無言の圧”
    大声で鳴くより、うるうるした目でじーっと見つめてくるタイプ。鳴く前に視線だけで家族をキッチンへ動かす。
  • ブラシを見ると予定変更
    さっきまでゴロゴロしていたのに、ブラシを持った瞬間「今は爪とぎの時間なので…」と別タスクに移行。説得するとしぶしぶ戻ってくる。
  • 抜け毛で“もう一匹いけそう”
    ブラッシング1回で手のひらサイズの毛玉が完成。「これ丸めたら、ちびペルシャができるのでは」と毎回思ってしまう。
  • 涙やけ拭きは毎日の儀式
    ティッシュやコットンを見せると、ぷいっと顔をそむける。でも終わったあとのスッキリ顔を見ると、人間も達成感がすごい。
  • 走るときだけ別猫モード
    ふだんはのっそり歩くのに、突然スイッチが入ると長毛をなびかせて全力疾走。5秒で終わる“瞬間風速”の運動会。
  • エアコンの効き具合チェック係
    夏はひんやり床、冬はふかふか毛布の上と、ベストスポットをいつも先取り。ペルシャのいる場所が、その家の快適温度ゾーン。
  • 写真はどこからが猫?
    アップで撮ると、もふもふが画面の8割を占拠。後から見返して「これ耳どこ?」「顔どこ?」と家族会議が始まる。
  • 鳴き声とのギャップ優勝候補
    見た目はゴージャスなのに、鳴き声は「にゃ…」と超控えめ。初めて聞いた人が「思ったより慎ましい」と笑ってしまう。
  • 寝相だけは大サービス
    へそ天、ひねりポーズ、前足ピーン…と、寝ている時だけ全力で無防備。気づいたらスマホのアルバムが寝相写真で埋まっている。

歴史とルーツ

シェーデッドゴールデン、シチンチラシルバー、ブラウンタビーのペルシャと言う品種の猫3匹

ペルシャは、現存する猫種の中でももっとも古い長毛種のひとつとされ、その歴史は17世紀ごろまでさかのぼると言われています。シルクロードを通じて中東地域からヨーロッパにもたらされた長毛の猫が原型とされ、当時の文献には「ペルシャ産の美しい長毛猫」として王侯貴族のあいだで珍重された記録が残っています。現在のイラン周辺(旧ペルシャ)やトルコからイタリア・フランス・イギリスへと運ばれ、上流階級のペットとして徐々にヨーロッパ各地に広まっていきました。

19世紀に入り、ロンドンで近代的なキャットショーが開かれるようになると、イギリスのブリーダーたちはこの長毛猫に注目し、「ペルシャ」として系統立てた繁殖を始めます。当初は今より鼻が高くスラリとした顔立ちでしたが、丸い頭部と大きな目、ずんぐりした体型を強調する選抜が進み、20世紀にかけて現在のような「丸顔・短足・ゴージャスな長毛」のスタイルが確立していきました。同時に、シルバーやチンチラ、シェーデッドなどの華やかなカラーバリエーションも、選抜と交配を通じて発展していきます。

第二次世界大戦中には多くの猫種と同じく頭数が減少しましたが、戦後、愛好家たちの努力によって血統の回復が図られました。その過程で、より丸く短い顔立ちを目指した繁殖も進み、いわゆる「エクストリームタイプ」のペルシャがショーシーンで人気を集めるようになります。一方で、極端な短頭化による健康リスクへの懸念から、近年ではやや鼻の高い「ドールフェイス」タイプを好むブリーダーや飼い主も増えています。

現在、ペルシャはCFA・TICA・FIFe・GCCFなど主要な猫種登録団体すべてで公認され、世界中のキャットショーや家庭で愛されるロングヘアの代表格となりました。派生種として、チンチラやヒマラヤン、さらに短毛版のエキゾチック・ショートヘアなど、ペルシャの血を受け継ぐ猫たちも多数誕生しています。豪華な被毛と穏やかな性格は多くの長毛猫種のベースとなっており、「ペルシャなくして今の猫界は語れない」といっても過言ではない存在です。


飼い方のコツ

環境づくり

  • 室内飼いを基本に、静かで落ち着けるくつろぎスペース(ベッドやソファ、ブランケットなど)を用意する
  • ブラッシングや涙・鼻まわりのケアを行う「グルーミングコーナー」を決めて、毎日のルーティンに組み込む
  • 高さのあるタワーよりも、段差が少ないステップや低めのキャットタワーで、のんびり上り下りできる環境を整える

食事

  • 運動量は少なめなので、カロリー控えめ・体重管理を意識したフード選びが大切(シニア期は特に要注意)
  • 長毛ゆえに毛づくろいで飲み込む毛が多いため、毛玉ケア用フードやサプリ、こまめなブラッシングで毛球症対策を行う

遊び

  • 激しい運動よりも、短時間のじゃらし遊びや、床で転がすボール遊びなど「ゆるめの運動」を毎日少しずつ
  • 立ち上がりやジャンプを無理しなくて済むよう、トンネルおもちゃや知育系おもちゃで、頭と体をバランスよく使わせる

健康と寿命

先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等の例です(あくまで「なりやすい傾向」があるという一般論であり、すべての個体に当てはまるわけではありません)。

病名内容
多発性嚢胞腎(PKD)ペルシャ系で知られる遺伝性腎疾患。腎臓に嚢胞ができ、進行すると腎機能が低下する。近年は遺伝子検査でキャリアを確認し、繁殖から外す取り組みが進んでいる。
呼吸器・鼻のトラブル短頭種特有の構造により、鼻づまり・いびき・呼吸のしづらさが出やすい個体がいる。特にエクストリーム系の顔立ちでは、空調管理と体重管理、定期的な診察が重要。
眼疾患・涙やけ・毛球症目の構造や被毛の長さから、流涙症や角膜炎を起こしやすいほか、飲み込んだ毛による毛球症リスクも高い。目まわりの拭き取りとブラッシング、場合によっては胃薬やフードで対策を。

📊 平均寿命(一般例):12〜16年前後(10〜15年とするデータも多く、個体差大)
💡 定期的な健康診断(年1回〜シニア期は年2回)、適正体重の維持、毎日のグルーミングと目・鼻のケアを習慣にすることで、ペルシャらしい穏やかな時間を長く一緒に過ごしやすくなります。


子猫の価格と選び方

ペルシャの子猫
項目内容
平均価格おおむね15〜30万円前後(チンチラ系・人気カラー・ショータイプは30〜40万円台の例も)
価格差の要因血統(ショーラインかどうか)、顔立ち(鼻の形・目の大きさ)、カラーや模様の希少性、月齢、健康検査有無など
購入ルートペットショップ、ブリーダー直販サイト・キャッテリー、稀に里親募集(「ペルシャ系長毛」「チンチラ風」などとして)

💡 選び方のコツ
見た目のかわいさだけでなく、親猫の性格・健康状態をしっかり確認するのが大切です。特にペルシャでは、多発性嚢胞腎(PKD)や心臓・呼吸器の検査をしているかどうか、鼻の形が極端すぎないか、ブリーダーさんが日々のブラッシングや目・鼻ケアの方法を具体的に説明してくれるかがポイント。ペットタイプ(家庭向け)であれば、ショータイプにこだわらず「骨格バランスと健康重視」で選ぶのがおすすめです。


ペルシャと暮らす日常

ペルシャとの暮らしは、激しいアクション映画というより、静かであたたかいヒューマンドラマのような時間です。朝、家族が起きるとすでにソファの上でどっしりスタンバイ。伸びをしながら小さく「にゃ」とあいさつし、あとは人の動きを眺めつつ、マイペースに一日を過ごします。

昼間はお気に入りの窓辺やベッドで長めのお昼寝。夕方になると、ブラッシングタイムとごはんタイムが一日のハイライトです。夜は家族の横で丸くなり、テレビやスマホを見ている人間の横で、ゴロゴロと喉を鳴らす。そんな「特別なことはしていないのに、そばにいるだけで満たされる」ような日々が、ペルシャと暮らす醍醐味と言えるでしょう。

ペルシャと暮らす日常

向いている飼い主タイプ

飼い主タイプ相性度
初心者
共働き家庭
子どもがいる家庭
1人暮らし

💬 コメント
おっとり穏やかで、激しい運動や広い運動スペースをそれほど必要としないため、初めて猫を迎える人や、静かに暮らしたい一人暮らしとも相性のよい猫種です。一方で、毎日のブラッシングや目・鼻まわりのケアは欠かせないので、「お世話のひと手間を楽しめるタイプ」の飼い主さんに特に向いています。


よく比較される猫種との違い

猫種性格入手難易度飼いやすさ
エキゾチック・ショートヘアペルシャに似たおっとり系だが、短毛〜セミロングでやや活発な子も。甘えん坊で人懐っこい。 ペルシャよりお手入れは少なめだが、短頭種ゆえの健康ケアは似た注意点あり。
ヒマラヤンペルシャ×シャム由来の長毛ポイント猫。穏やかで甘えん坊だが、ややおしゃべりな子も。 性格は飼いやすいが、長毛+ポイント柄ゆえのケアはペルシャ同様しっかり必要。
ブリティッシュ・ショートヘア落ち着いたマイペースタイプで、どっしり安定した短毛種。ツンデレ気味な子も。 抜け毛は多いが長毛ケアは不要。肥満や運動不足に注意すれば比較的飼いやすい。

まとめ|パパちゃんとゆうまの猫談義 🐾

ゆうまさん
ゆうまさん

パパ、あの「もふもふでお顔ぺちゃん」のペルシャさんって、ちょっとぼくと親戚っぽいよね? 一日中ソファでゴロゴロしてるイメージだけど、運動しなくて平気なのかな…。

パパちゃん
パパちゃん

そうだね、ゆうまさんの中にもペルシャの血が入ってるから、かなり近いタイプだよ。ペルシャさんは基本おっとりで激しい運動は少ないけど、健康のためには毎日ちょっとずつでも遊び時間を作ってあげたいね。短い時間でも、ゴロゴロじゃらしを追いかけるだけで全然違うんだ。

ゆうまさん
ゆうまさん

ぼくよりもお顔が平らでかわいいけど、あれって息しづらくないのかな? ぼく、くしゃみ出るのはイヤなんだよね…。

パパちゃん
パパちゃん

いいところに気づいたね。ペルシャは鼻が短い子だと、涙が出やすかったり、鼻が詰まりやすかったりしやすいんだ。だからお迎えするなら、極端にお鼻がぺったんこじゃない子を選んだり、目や鼻のまわりをこまめに拭いてあげたり、獣医さんに定期的にチェックしてもらうのが大事なんだよ。

ゆうまさん
ゆうまさん

あんなに毛が長いと、シャンプーもブラシも大仕事だよね…。ぼくなんて中毛でもお風呂は全力拒否してるのに。

パパちゃん
パパちゃん

ペルシャさんは、ブラッシングはほぼ毎日、シャンプーもときどき必要になるかな。毛玉ができると自分でも気持ち悪いし、お腹に毛がたまりすぎるとつらくなっちゃうからね。だから、ブラッシングを「なでなで延長タイム」にしてくれる家族と相性がいい猫種なんだ。

ゆうまさん
ゆうまさん

ペルシャさんって、性格もおっとりって聞いたけど、初めて会う人が来てもあんまり隠れないのかな? ぼくはとりあえずベッドの下に避難しちゃうタイプだけど…。

パパちゃん
パパちゃん

個体差はあるけど、ペルシャは人見知りが激しい子よりも、どっしりマイペースに構えてる子が多いね。「別に気にしないよ〜」って感じでソファから見ているタイプ。ゆうまさんみたいな慎重さんとは正反対だけど、一緒にいると「まあ落ち着こうよ」って空気を作ってくれそうだね。

ゆうまさん
ゆうまさん

もしパパがペルシャさんをお迎えするなら、いちばん最初に気をつけてチェックするところってどこ? ぼくと仲良くできるかな…。

パパちゃん
パパちゃん

一番は健康だね。親猫の腎臓(多発性嚢胞腎:PKD)や心臓の検査をしているか、鼻の形が極端すぎないか、目や毛のお手入れについてしっかり説明してくれるブリーダーさんかどうかをチェックしたい。それから、ゆうまみたいなおっとりさんと相性が良さそうな、穏やかで他の猫に優しい子を選ぶのも大事かな。ゆっくり距離を縮めれば、きっとふたりでまったりコンビになれると思うよ。

パパちゃん
パパちゃん

ペルシャは、ゴージャスな長毛とまんまるなお顔で“ザ・高貴な猫”ってイメージがあるけれど、中身はとても穏やかで、ゆっくり一緒に暮らすのが得意なタイプ。毎日のブラッシングや涙・鼻のケア、太りすぎないようなごはん管理など、手はかかるけれど、そのぶんお世話を通じて濃いコミュニケーションが生まれる猫種だと思う。ゆうまみたいなおっとりさんとも、ソファの両端でのんびり日向ぼっこできる、静かであたたかい家族になってくれるはずだね。