北欧の森からやってきたような、ふさふさの毛と堂々とした体つき。ノルウェージャン・フォレスト・キャットは「森の妖精」「森の王子さま」なんて呼ばれながらも、性格はとても穏やかで家族思いな長毛種です。この記事では、日本の一般家庭でノルウェージャンと暮らすために知っておきたい、性格・特徴・お迎えのポイント・健康の注意点までをまとめて解説します。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産国 | ノルウェー(北欧スカンジナビア半島の森で自然発生した土着猫が基礎) |
| 毛の長さ | セミロング〜ロング(防水性のある上毛+密なアンダーコートのダブル〜トリプルコート) |
| カラー | ほぼ全色(ホワイト/ブラック/ブラウン/ブルー/レッド/クリームなど、多彩) |
| 模様パターン | ソリッド、タビー、バイカラー、トーティなど制限ほぼなし(ポイントは不可のことが多い) |
| 体重 | オス約4〜7kg/メス約3〜5kg(中〜大型) |
| 性格 | 穏やか・マイペース・人懐っこい・遊び好きで賢い“森の紳士”タイプ |
| 寿命(一般例) | 12〜15年前後(日本情報では10〜14年程度との記載もあり) |
| 公認団体 | CFA・TICA・FIFe・GCCF で公認 |
| 入手難易度(日本) | ★2:比較的見つけやすいが、地方では店舗・時期により差あり |
💡特徴
ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、骨太でがっしりした体格に、逆三角形ぎみの頭、大きなアーモンドアイが印象的な長毛種です。耳先には“リンクスティップ”と呼ばれる毛束が出ることも多く、太く長いふさふさしっぽはまさに「森の尾」。首元から胸、おなか、しっぽにかけて毛量が多く、冬はライオンのたてがみのような襟巻きが現れます。見た目はワイルドですが、性格は穏やかでフレンドリーな子が多く、家族とのんびり過ごすのが大好きです。
| 区分 | 難易度 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| ペットショップ | やや容易〜普通 | 大手チェーン・総合ペットショップの子猫コーナー |
| ブリーダー | 普通 | ノルウェージャン専門キャッテリー、長毛種ブリーダー、直販サイト |
| 里親募集 | やや困難 | 里親サイト・保護団体(長毛ミックスとしての募集が中心) |
💬 解説
日本では人気長毛種のひとつとして定着しており、都市部のペットショップや専門店では比較的出会いやすい猫種です。ただし、すべての店舗に常時いるわけではなく、「今いるかどうか」は時期と店舗次第。ブリーダー直販サイトでは、ノルウェージャン専門キャッテリーが複数あり、通年で子猫の情報が掲載されていることが多いです。里親・保護ルートでは、純血・血統書付きのノルウェージャンはごく少数で、長毛のミックスとして募集されるケースがメインと考えておくとよいでしょう。
💡 豆知識
見た目がよく似た長毛ミックスも多いため、「ノルウェージャン風」と紹介されている子を純血と混同しないよう、血統書の有無や親猫情報を確認すると安心です。
- 穏やかでマイペース、どっしりとした“森の王子さま”気質
- 人懐っこく、家族や他の猫・犬とも仲良くなりやすい
- 遊び好きで、キャットタワーを使った縦の運動が得意
- 大きな体に似合わず温厚で、人にも他の猫にも優しい子が多い。来客にも落ち着いて挨拶できるタイプが多い。
- 遊ぶ時はしっかり遊び、普段はマイペースにのんびり。人の近くでリラックスする姿に癒やされる。
- 運動神経がよく、キャットタワーや棚を使った縦の運動が得意。ダイナミックなのにどこか上品で、見ていて楽しい。
- トリプルコートの長毛で、換毛期の抜け毛はかなり多め。ブラッシングをサボると毛玉・毛球症が心配。
- 体格が大きく食欲旺盛な子も多いため、運動不足になると体重が増えやすい。肥満に伴う関節や心臓への負担を気にする声も。
- 高いところが大好きで、棚や家具の上に登って飾りを落としてしまうなど、レイアウトを工夫しないとプチいたずらに感じることも。
- タワー頂上はマイルーム
キャットタワーのてっぺんは常に満室。ほかの猫が登ろうとすると、ふさふさ尻尾でじわっと縄張りアピール。 - ごはん前だけ超ダッシュ
ふだんは森の王子さまのようにゆったりなのに、カリカリの音がした瞬間だけ別猫級のスプリンターに変身。 - 床より“棚の道”がお気に入り
ソファ→棚→タワーと、床をほとんど歩かない。人間の目線より高いところから、静かに家族会議をチェック。 - ブラシは好き、でも気分次第
ご機嫌な日は喉ゴロ全開でブラシ待ち。気分じゃない日は、そっと数メートル離れた位置からじーーっと見つめてくる。 - 季節で別猫並みの衣替え
夏はスッキリ、冬はライオン襟巻きでもこもこ。写真フォルダをさかのぼると、別猫みたいな四季の変化が楽しめる。 - 水は嫌いじゃないけど濡れたくない
蛇口の水は気になるけど、自分が濡れるのは断固拒否。お風呂場のドア前で、毎回見学だけして帰る。 - 掃除機との“距離感”が絶妙
怖くて逃げるほどでもないけど、好きではない。掃除機の進行方向を読みながら、絶妙な2メートル距離をキープ。 - ひざの上は“長期契約”
一度ひざに乗ると、ずっしり重量級で長時間滞在。トイレに行きたい人間が、モフモフとの交渉に入るのが日常。 - 抜け毛で“もう一匹いけそう”
ブラシ1回でどっさり収穫。丸めた毛玉を見て「これでもう1匹ノルが作れそう」と毎回びっくり。 - ドアは自分で開けたい派
ドアノブを見つめて二足立ち→軽くカリカリ。「開けて」よりも「開けるから見てて」の主張が強め。

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、その名の通りノルウェーを中心とした北欧の森で古くから暮らしてきたとされる自然発生の猫です。ノルウェー語では「スコグカット(森の猫)」と呼ばれ、北欧神話にも「大きくて毛むくじゃらな森の猫」として登場するなど、人々の暮らしや物語と深く結びついてきました。厳しい寒さと雪にさらされる環境の中で、防水性のある長い上毛と密なアンダーコートを持つ分厚いコートや、骨太で筋肉質な体つきが自然淘汰の結果として育まれていったと考えられています。
20世紀初頭には、ノルウェー国内の愛猫家たちが「自国の森の猫を守ろう」という機運を高め、1930年代ごろから選抜繁殖が行われはじめました。しかし第二次世界大戦の混乱により頭数が激減し、一時は絶滅の危機に瀕します。その後、ノルウェーのブリーダーや猫愛好団体が協力し、純粋なスコグカットの系統を守りながら、品種としての確立を目指すプロジェクトが進められました。1970年代にはヨーロッパ各地のキャットショーに登場し、そのワイルドで美しい姿が国際的な注目を集めます。
1977年にはFIFe(国際猫連盟)が正式にノルウェージャン・フォレスト・キャットを公認し、その後、イギリスのGCCFでも登録が進みました。アメリカには1970年代後半から1980年代にかけて輸入され、CFAでは1987年に登録が開始、1993年にはチャンピオンシップクラスとして認定されます。現在ではCFA・TICA・FIFe・GCCFなど主要団体すべてで公認され、「北欧の森の猫」として世界中のキャットショーや家庭で愛される存在となりました。自然発生の土着猫でありながら、長年の血統管理とブリーダーの努力によって、ワイルドな魅力と穏やかな性格を併せ持つ人気長毛種としての地位を確立しているのです。
環境づくり
- 高いところに登れるスペースを用意:しっかりしたキャットタワーや棚の上など、「縦の動線」をつくってあげると大満足。
- 抜け毛対策を前提にインテリアを考える:布製品は洗えるものを選ぶ、コロコロや掃除機を常備するなど、毛との付き合い方を決めておく。
- 夏の暑さ・冬の乾燥対策:北欧仕様コートなので、日本の夏はエアコン必須。冬は乾燥しすぎないよう加湿も意識すると◎。
食事
- 体格に合ったカロリー管理:大きいからといって与えすぎないよう、年齢・体重・運動量に合ったフード量を守る。
- 長毛種向けフードや毛玉ケアを検討:毛球症対策として、毛玉ケア用フードやサプリ、食物繊維を含むレシピも選択肢に。
遊び
- 上下運動ができる遊びを取り入れる:おもちゃを使ってタワーを上下させるなど、“森の猫”らしい動きをさせてあげる。
- 短時間でも毎日コミュニケーション:10〜15分でも良いので、毎日遊んだりなでたり、心のケアも兼ねた時間をつくる。
先天的な病気やリスク、老後になりやすい病気等を以下に記載します。
| 病名 | 内容 |
|---|---|
| 肥大型心筋症(HCM) | 心臓の筋肉が厚くなることで、血液をうまく送り出せなくなる病気。長毛の大型種で注意されることが多く、親猫の検査歴や定期的な心エコー検査が望ましい。 |
| 関節・腰への負担(関節炎など) | 体重が重くなりやすい猫種のため、肥満+加齢で関節や腰に負担がかかりやすい。ジャンプの回数や高さに配慮しつつ、適正体重を維持することが重要。 |
| 毛球症・皮膚トラブル | 長毛+トリプルコートのため、毛づくろいで飲み込んだ毛が胃腸にたまりやすく、毛球症のリスクあり。ブラッシング不足から毛玉や皮膚トラブルにつながることも。 |
📊 平均寿命(一般例):12〜15年前後
💡 定期的な健康診断(年1回、シニア期は年2回程度)と、体重・食欲・呼吸の様子を日頃からチェックしておくことで、病気の早期発見につながります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 平均価格 | 約15万〜30万円前後(ペットタイプ) |
| 価格差の要因 | 血統(ショーラインかどうか)、毛色・模様、性別、月齢、ブリーダーの評価・保証内容など |
| 購入ルート | ペットショップ、ブリーダー直販サイト、専門キャッテリーからの直接譲渡 |
💡 選び方のコツ
親猫の性格や健康状態を確認し、「穏やかで人慣れしているか」「HCMなどの検査歴があるか」「ワクチンや駆虫が適切に行われているか」をチェックしましょう。見た目のかわいさだけでなく、生活環境や飼育方針をしっかり説明してくれるブリーダー・ショップを選ぶのが、長く健康に暮らすいちばんの近道です。
朝、カーテンを開けると、キャットタワーの最上段からふさふさの尻尾とともに「おはよう」のまなざし。人が動き始めると、のそのそと床に降りてきて、ゆったりとした足取りでリビングをパトロールします。ごはん前になると、急にスイッチが入り、さっきまでのんびりしていたとは思えないダッシュでキッチン前に集合。
日中は、窓辺で外を眺めたり、ソファ横で家族の在宅ワークを見守ったりと、マイペースにくつろぐ時間が長め。夕方から夜にかけては、キャットタワーやおもちゃを使って一緒に遊ぶと、ダイナミックなジャンプや上り下りを披露してくれます。たっぷり遊んだ後は、ふわふわコートをなでながらゆったりブラッシング。そんな“動”と“静”のメリハリが、ノルウェージャンとの暮らしの日常です。
| 飼い主タイプ | 相性度 |
|---|---|
| 初心者 | |
| 共働き家庭 | |
| 子どもがいる家庭 | |
| 1人暮らし |
💬 コメント
穏やかでフレンドリーな性格のため、初めて猫を迎える家庭や、子どもがいる家庭とも相性は良好。一方で、長毛のブラッシングや抜け毛ケア、大きな体を維持するための体重管理など「少し手間をかける余裕」があるご家庭向きです。共働きや1人暮らしでも、毎日きちんとコミュニケーションとケアの時間を確保できるなら、良きパートナーになってくれます。
| 猫種 | 性格 | 入手難易度 | 飼いやすさ |
|---|---|---|---|
| メインクーン | 社交的でフレンドリー、“犬っぽい”性格の超大型猫 | さらに大柄で食事量・スペースも多め | |
| サイベリアン | 賢く社交的、「アレルギーが出にくい」と言われる森の猫 | 被毛量は多いが、性格は素直で人懐っこい | |
| ラグドール | 抱っこ好きでおっとり、のんびりマイペース | 活発さは控えめで、室内向きのおっとり長毛種 |
※比較用の難易度・飼いやすさは、あくまで一般的な傾向の目安です。

ぼく、暗くて低いところが好きなんだけど、あの“森のもふもふさん”はいつも高いところにいるよね。あんなに上ばっかりいて、こわくないのかな?

ノルウェージャンは森の木の上で暮らしてきたって言われているくらい、高いところが得意なんだよ。体もがっしりしていてバランス感覚もいいから、高い棚やタワーの上でもけっこう平気。ゆうまはソファの下担当、ノルさんは“高所見張り番”って役割分担をしたら、いいコンビになれそうだね。

毛がすっごく長くてふわふわだけど、暑くないのかな? ぼくなんて短毛でも夏はへろへろなのに…。

あのもふもふは、寒さ対策に特化した“北欧仕様コート”なんだ。上の毛は雪や雨をはじいて、下の毛が体温を守る仕組みになってるの。日本の夏はさすがに暑いから、エアコンとブラッシングで快適温度にしてあげるのが大事だね。

あんなに大きいのに、おとなしくて優しいって聞いたけど本当? ぼく、最初ちょっとビビっちゃうかも…。

見た目は“森のライオン”だけど、中身は穏やかな子が多いよ。人にも他の猫にもやさしくて、空気を読むのも上手。最初はゆうまが隠れてても、ノルさんのほうからそっと距離をとってくれるタイプだから、少しずつ慣れていけると思うよ。

ブラッシング、大変そう…。ぼくなんて短毛でも時々逃げちゃうのに、あのモフモフさんはどれくらいブラシするの?

換毛期はほぼ毎日、それ以外でも週に3〜4回はしてあげたいかな。毛玉ができると自分でも気持ち悪いし、飲み込んだ毛でお腹がつらくなることもあるからね。ブラシ好きな子も多いから、“なでなで延長版”みたいに楽しい時間にしてあげるのがコツだよ。

もしママがノルウェージャンさんをお迎えするなら、ぼくとしょうちゃんと仲良く暮らすために、いちばん気をつけることってなに?

まずは性格と健康かな。親猫が穏やかで、人や他の猫と仲良くできる子かどうか。それから、心臓や関節の検査をちゃんとしているブリーダーさんかも大事。ゆうまたちの生活ペースも考えて、運動好きなノルさん用の“高い遊び場”を用意してあげれば、みんなでうまく暮らしていけると思うよ。

ノルウェージャン・フォレスト・キャットは、もふもふで大きくて、ちょっと迫力があるけど、とても穏やかで家族思いの“森の紳士”。高いところ大好きな運動派だけど、家族のそばでのんびり過ごす時間も大切にしてくれる、バランスのいい長毛種です。ブラッシングや抜け毛ケア、体重管理などのお世話はしっかり必要ですが、その手間をかけるだけの癒やしと安心感を、毎日の暮らしに届けてくれる存在と言えそうです。

